遺産分割調停を通じて不動産を任意売却し、相続税延滞税も可能な限り抑えた事例

ご相談事例

亡母の遺産について、子3名で揉めている。次男家族が亡父名義の一軒家に住んでいるが、長男はすべて自分が相続すると述べて譲らず、まったく話し合いにならない。相続税や母名義の借入金を支払う必要があるが、手元資金がなく支払えなく困っている。

解決事例

次男&三男からご依頼を受け、長男との間で速やかに遺産分割調停を行いました。調停の中で相続不動産を入札方式により任意売却を行い、無事に相続手続きを完了しました。

弁護士コメント

御相談時点で、すでに相続税申告納付期限を大幅に過ぎていましたので、税理士と連携し、税務署には逐次状況を報告して最大限納税を猶予してもらいつつ、相手方(長男)と遺産分割調停を開始。特別受益、寄与分についても争点が多数あり難航しましたが、調停で粘り強い交渉を続け、長男の不合理な主張を排斥し依頼者も納得できる内容で遺産分割調停が成立しました。

また、一番のポイントである不動産については、当方が主導して入札方式による任意売却を行い、一番高い価格を提示した不動産業者に対し、引っ越し費用を十分賄える手付金の支払いや、契約不適合責任の免責など諸条件を付して売却しました。

相続税については、本来は、本税に加えてかなりの額の延滞税を納税する必要がありましたが、随時所轄税務署に遺産分割調停の状況を報告し、また最終的な調停成立前に、暫定的な中間合意をして、成立した中間調停条項を示し、延納しうるあらゆる手続きを取ったことにより、最終的には本税とわずかな延滞金の納付のみに抑えることができました。

御相談から調停成立まで約2年、最終的な解決までは2年半を要しましたが、ご依頼者様が大変満足できる結果を得ることができました。

この記事を書いた人 弁護士 大澤美穂子

2005 年 10 月弁護士登録(第二東京弁護士会所属)、クラース東京法律事務所代表弁護士。
企業法務、一般民事、離婚などの家事事件、高齢者問題(成年後見、遺言、相続)など広く取り扱い、クライアントのニーズに合った最適な解決方法を目指している。

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